クララとのあり得ぬ噂話を収拾し、ザリエル公爵に婚約継続の許しを得てしばらく経った頃だ。
生憎の大雨の日だったが、アルベルトは公爵邸を訪れ、愛しの婚約者の顔を見に来ていた。
国王である父や宰相からは罰として山ほど仕事を振られ、正直余裕はない。
しかし過去にひと月もクリスティーナを放置した結果、色々とよくない事態が進行していた経験がある彼は、同じ愚行は犯すまいと、会うと決めた日は絶対に会うようにしていたのだ。
アルベルトは、白の刺繍が入る青地の上着にかかった雨粒を払い、歩みを進めた。
アルベルトの来訪を受け、公爵邸の従者が扉を開くと、今しがた呼ばれたのだろう――淡い紅色のドレスを着たクリスティーナが、玄関正面にある大階段を駆け下りてくる。
「アルベルト様……雨なのに来てくださってありがとうございます……!」
鈴のような形をしたレースの袖口が、ふわふわと揺れた。銀糸の髪を揺らし、アメジストの瞳を輝かせて駆け下りてくる彼女は、まるで春の妖精のようだ。
幼い頃と変わらない、無邪気な笑顔を見て、アルベルトの胸がうずく。
ここ最近は、いつもつんと澄ました顔をして、どこか緊張するばかりだった彼女の表情が、本当に緩んでいた。
幼い頃から彼女を見ていたアルベルトは、彼女の変化に気づいていたのに、本当の意味では気づいていなかった自分を申し訳なく感じる。
思えば、クララと関わるようになってから、彼女のこういう幼い表情はめっきり見なくなってしまっていたのだ。
アルベルトは疲れの滲む目元を細め、両腕を広げた。
「クリスティーナ。君との約束を、雨だからって破るはずがないだろう? 今日は何をして遊ぼうか?」
「――」
アルベルトの問いかけを聞いたクリスティーナは、駆け寄りながら、一瞬その瞳をきょとんとさせた。
『何をして遊ぼう』などと、随分幼い言い回しだ。
十八にもなる男が――ましてや王太子が使うべきセリフではなかったが、彼女はすぐに破顔した。
アルベルトの腕の中にすっぽりと納まり、顔を上げて、小首を傾げた。
「じゃあ、今日は図書室へ参りましょう? ひいおじい様のご本がたくさんあるのよ。お星さまの本」
クリスティーナが悪戯っぽく笑って応じると、周囲から柔らかな笑い声が漏れる。
アルベルトたちの周囲には、雨に濡れた騎士たちと、彼らに布を差し出す公爵邸の使用人たちがいた。
かつてのやり取りを知っている者たちが、微笑ましそうに笑ったのだ。
――あの頃から僕たちはずっとお互いを好きだったはずなのに、どうして時々こんがらがってしまうんだろうね。
アルベルトは心の中で呟いて、クリスティーナに笑みを浮かべる。
「本当に図書室に行く? それとも結婚式の話にする?」
クリスティーナとの結婚式へ向け、徐々に話を詰め始めなければいけない頃合いだった。
彼女との結婚は来年だ。
王家の挙式は国が主導だが、本人たちが口を挟まなければいけない場面も多々ある。
クリスティーナはアルベルトの顔をじっと見つめ、眉尻を落とした。
「ご無理をしていらっしゃったのでしょう? 私のお部屋でゆっくりお茶を飲むのはいかが?」
アルベルトの胸が、すうっと穏やかな空気に包まれる。疲労困憊だった彼は、正直婚姻関連のよくわからない物事を考えられる状態ではなかった。
こちらの疲労具合を見計らって提案をしてくれた婚約者を見下ろし、アルベルトはこみ上げた愛しさのはけ口を探し、手を伸ばす。
彼女の背後にある、大階段の脇には目力が半端ない執事が佇んでいるし、本能のまま口づけなどできない状態だ。
でも彼女の唇は魅惑的に艶やかで、アルベルトは己の欲を最大限抑え、その唇を親指で撫でた。
「ありがとう、クリスティーナ」
漆黒の瞳を細めて微笑むと、彼女はふわっと頬を真っ赤に染めて、視線を逸らす。
「えっと、あの……お、お部屋に、ご案内いたしますわ……っ」
――部屋で二人きりになれたら、口づけしようかな。
照れた顔を見られるのを恥じらい、アルベルトからささっと離れてしまった婚約者の背中を見つめ、アルベルトは邪な予定を立てた。
階段に足をかけてなんとなくみやると、階段下で待機していた公爵邸の執事が、こちらに鋭いまなざしを注いだ。
アルベルトはすいっと彼から視線を逸らし、細い溜息を吐く。
――無理か……。
これは監視が付く予兆だ。
げんなりとした気分で顔を上げると、階段を先に上ってしまったクリスティーナが、踊り場でこちらを振り返った。
「ねえアル。お茶を飲んだら、チェスをしましょう?」
明るく笑ってゲームをしようと誘う彼女を見上げ、アルベルトは笑みを浮かべる。
また幼い頃と変わらない調子で、会話をすることができるようになった。彼女を手に入れ、慈しむためなら、どんな試練も乗り越えてやろう。
アルベルトは無邪気に笑う彼女を見て、心に誓った。
――とはいっても、あれ以上の最悪な事態なんて早々ないだろうけどな。
クララとの一件以上の悪い事態など今後起こるはずもない、と高を括り、アルベルトは呑気な足取りで階段を上って行った。
背中に流れる白のベール。
純白のドレスには、王家の花嫁を象徴する十二種類の花が銀の糸で彩られ、床を這う裾の長さは国一番だ。
同じく純白の婚礼衣装を着たアルベルトは、神の前で彼女を見下ろし、感慨深く溜息を吐いた。
――ああクリスティーナ。やっと君は僕のものになるんだね……。
そう思ってベールに触れ、それをめくろうとした時、レースの向こうで彼女がこちらをきらっと睨んだ。
「――本当に私でよろしいの?」
アメジストの瞳は、幸福な挙式に見合わない、鋭い光を宿していた。アルベルトは戸惑い、頷く。
「うん……君しかいないよ……?」
――僕の妻は、君以外考えられないよ、クリスティーナ。
そう答えると、彼女は視線を逸らし、信じられないという顔で吐き捨てた。
「私など信じられないのではありませんか?」
「――え? 信じてるよ……?」
何を、とは言わなかったが、アルベルトは彼女のすることなら全面的に信じられる自信がある。
だからいい加減な発言はしないと固く身に覚え込まされた身であっても、主題を詳しく確認せずに応じた。
クリスティーナは再度、アルベルトを睨みあげる。
「でも私は、すでに穢されております。それでもよろしいの?」
「――……え…………?」
アルベルトは鳩が豆鉄砲を食らったような顔で、愕然と恋人を見下ろした。
――穢されている? 誰に? 僕に? いやいや、僕ずっと我慢してたよね? 絶対穢さないようにって、気をつけてたよね? え、じゃあ何? 誰か他の男にってことかな? それってどういう意味? 僕以外の男に、体を許したの? いや、君がそんなことするはずないよね。……じゃあ僕以外の男が――君を傷つけたってことだね……?
アルベルトは心の中で目まぐるしく考え、最終的にふつふつと怒りをたぎらせる。
「……誰に、穢されたの……」
低く尋ねると、クリスティーナは眉尻を落とし、瞳に涙を一杯に溜めた。
「ごめんなさい……こんな私、王妃に相応しくありませんわ。アルベルト様との結婚は、やはり辞退いたします」
全身から一気に血の気が下がり、アルベルトは目の前を去ろうとした彼女に手を伸ばす。
「――いや、待ちなさい、クリスティーナ!」
こんな場面なのに、教会には参列者がいる、という状況把握をしてしまったアルベルトは、体裁を取った言い回しを使った。
すぐに手を伸ばしたのに、彼女は器用にアルベルトの手をすり抜け、教会の中央を走っていく。
「クリスティーナ!」
声を大きくしても、彼女はとまらない。教会の扉が勝手に開いていく。
――やめろ。扉を開くな! その扉を開いたら、彼女は二度と僕の元へは戻らない……!
理由もなくそう思ったアルベルトは、叫んだ。
「――待ってくれ、クリスティーナ! 君に手を出した男は殺すけど、君との結婚は絶対に何があってもやめない! お願いだクリスティーナ! 僕は君以外の女性は愛せない――!」
クリスティーナが、教会の扉口で立ちどまった。彼女はゆっくりと、こちらを振り返る。
「――頼む、行かないでくれ」
アルベルトは涙の滲む瞳で、懇願した。
――もしもここで逃げても、地の果てまで追いかけて、必ず捕まえる――。
心の内でどす黒い執着心を抱いたアルベルトを見やり、彼女は女神のように微笑んだ。
『――大丈夫よ。どこにもいかないわ』
彼女の返答を聞いた時、アルベルトは情けなくも、瞳に滲んだ涙を溢れさせてしまった。
一気に彼女への罪悪感が胸に広がり、唇が震える。
「――ごめん、クリスティーナ。手放してあげられなくて、ごめん。でも、君じゃないと」
僕はもう――無理なんだ。
王妃という重責から逃がしてやれない自分を、苦く思う。彼女はもっと、幸福で安穏とした未来を手に入れられる少女でもあった。
けれど自分は――きっと永遠に、彼女を手放さない。
情けない顔を見せるわけにいかず俯くと、誰かが頬をつついた。
――なんだ。僕は今、真剣な話をしているんだ。
不快に思って手を払うも、また頬をつつかれる。
――やめろと言っているだろう。やめろ。誰だ、アンナか? ……っやめなさい。お兄様は今、忙しいの!
悪戯好きの妹か、と振り返ろうとして、アルベルトは声を聞いた。
『どうしましょう。ねえハンス、大変だわ。ちっとも起きてくださらないわ』
『大丈夫でございますよ、お嬢様。この方は鍛えておられるので、多少の疲労では死にません』
『え、死んじゃうくらい、お忙しくされているの?』
『……ブランケットをご用意いたしましょう』
『ええそうね。ねえでも、死にそうなくらいお忙しいの?』
『……』
『ねえ、ハンス。ハンスったら』
聞き慣れた恋人の声が耳元でして、アルベルトは重い瞼を持ち上げた。
眩い光が瞳を射し、眉根を寄せると、よりはっきりと恋人の声が耳元でした。
「あ、起きた? 大丈夫、アル?」
頭が重い。体も重い。そしてものすごく――眠い。
アルベルトは額に腕を乗せ、光をさえぎって周囲を見回した。
クリスティーナの部屋だ。
繊細な刺繍が施されたクリーム色のビロードを張られたソファに、アルベルトは横たわっていた。
右手には大きな窓とその傍らに円卓があり、アルベルトが足を乗せているソファのひじ掛けの側には暖炉と、その上に絵画が飾られている。
左手には膝を折ってアルベルトの顔を覗き込むクリスティーナがいた。
彼女の傍らに立った執事のハンスは、ちょうどアルベルトにブランケットをかけたところだったようだ。
アルベルトは軽く頭をもちあげ、ぼそっと呟く。
「……寝た?」
ざあっと公爵邸に来てからの己の行動が脳裏を駆け抜けた。
クリスティーナに誘われるまま彼女の部屋に移動して、茶をした後、チェスをしたのだ。しかし積もり積もった疲労が瞼を重くし、思わず疲労の滲む溜め息を吐いてしまったところ、クリスティーナが少し横になったらどうかと提案した。
せっかく会いに来たんだから寝るなんてもったいない。
クリスティーナの顔を見続けるためにも、別の遊びをしようとボードゲームを提案した。
彼女がボードゲームを取りに席を立つと、部屋に待機していた彼女の侍女も手伝いのため一緒に出て行ってしまい、一人きりになった。
アルベルトは静まり返った室内で、ほんの少しだけ、とソファに横になってしまったのだ。
そのまま寝てしまったのか、と状況を把握すると同時に、アルベルトはぎくっと身を強張らせる。
――寝たのはどうでもいいが、寝言を言っていたのではないか……?
起きる直前、夢の中で絶叫していた自分を思い出し、アルベルトはちらっとクリスティーナに目を向けた。
彼女は心配そうに自分を見ている。
――判断できない。
寝言を聞いたのかどうか――情けない叫びを聞かれたのかどうか判じられず、アルベルトはまだ真上から自分を見下ろしていた公爵邸の執事――ハンスに目を向けた。
漆黒の髪にとび色の瞳を持つ彼は、アルベルトを見下ろし、にこっと笑んだ。
「お疲れのようでございますね、殿下。夢の中でもお嬢様を追わねばならない状況になっていらっしゃるとは、まだ何か後ろ暗い覚えがおありなのでしょうか?」
「……」
アルベルトは、ぼすっとソファのひじ掛けに頭を落とす。
――どうやら、情けない寝言は筒抜けだったようだ。
格好悪い自分は見せたくないアルベルトは、片手で顔を覆ってクリスティーナとは反対側に顔を背けた。
溜め息を吐くと、彼女は焦った声でフォローする。
「あの、でも……夢の中でも私を愛しているとおっしゃって頂けて、私は嬉しかったですわ……っ」
「……うん。まあ、愛してるからね」
アルベルトはクリスティーナに背を向け、ブランケットをかき上げてまた深く溜息を吐く。
疲れて恋人の家で寝こけてしまった上、夢の中でも恋人を失うのを恐れ慌てふためくとは――自分で自分が嫌になる。
もう少し大きく構えたいのだが、クリスティーナに関してだけはなぜか不安が付きまとう。
――結婚するその日まで、決して油断するな。
そう神に釘を刺されているかのような、理由のない焦燥があり、落ち着かなかった。
――僕ばかりが好きなような気がする。
ふと、愛しているのは自分だけなのではないか、と妙な思考に走りかけた時、クリスティーナが背中に触れる感触があった。
「アル? あの、えっと……私も、とってもあなたを愛しているわ」
「……」
アルベルトはのっそりと恋人を振り返る。
頬に朱を上らせ、瞳を潤ませて自分を見つめる彼女は、確かに自分を愛している顔をしていた。
アルベルトが格好つけて微笑もうかな、と思ったところ、クリスティーナは笑顔で続けた。
「だから、泣かないでね」
彼女が少し身を乗り出し、アルベルトの目尻に口づける。
ちゅっと音を立てて目尻を吸われ、アルベルトは己の失態に初めて気づいた。
むくっと起き上がり、目尻に触れる。
アルベルトは濡れた己の指先を見やり、わなわなと肩を震わせた。
――夢を見ながら、寝言を言っていただけでなく……泣いていただと……?
無理だ。あり得ない。こんな事態は受け入れられない。
男であり王太子であるアルベルトは、決して人に弱みを見せないように生きてきた。
たとえ恋人でも、辛さを吐露する場面はあろうが――泣くなど絶対にあってはならない。
変なところで男としてのプライドが高いアルベルトは、己を受け入れきれず、吐き気を覚えるほど状況の打破に思考を巡らせた。
と、傍らにいたハンスが、さらっと口を挟んだ。
「お嬢様、殿下は泣いておられません。殿下の額は汗で濡れていらっしゃいますでしょう。汗がしたたり落ちたのでございます」
アルベルトは、前髪に触れる。確かに汗で濡れていた。――だが。
「そうだったの? ごめんなさい、勘違いしちゃったわ。そう言えば、酷い汗ね」
クリスティーナは疑いなくハンスを信じ、アルベルトに微笑んだ。
「や……」
曖昧に応じて視線を上げると、ハンスは平然とこちらを見下ろし、頭を下げる。
「汗をぬぐうものをご用意いたします。冷えたカモミールティもお持ちいたしましょう」
彼は珍しく、呆然と見つめるアルベルトに、優しく微笑んだ。
「どうぞおくつろぎください、殿下。そう焦らずとも、貴方は文武両道の努力家。必ず貴方は賢君となり、お嬢様はいずれ、貴方の妃となられましょう」
アルベルトは目を見開いた。
自分とクリスティーナの結婚には反対していると思っていた執事から、あっさり将来を確約され、反応しきれなかったのだ。
それ以上に、軋む心根を見透かされ、動揺してしまっていた。
――賢君。
いずれ己が背負うべき国王という立場を、重く感じなかった日はない。
クリスティーナとの結婚を心待ちにする一方で、それは君主となる未来へまた一歩近づくことを意味した。
武術に勉学に、もっと強くならねば、もっと賢くならねばならないと焦りが沸く。
しかし人前では泰然とするべきだという父の教えの元、己の振る舞いには十分に気をつけていたつもりだった。
残念ながら、夢の中まではコントロールできず、幼い頃から自分を見てきたハンスには、その焦りが見えてしまったのだろう。
――未熟だ。
アルベルトが心の中で自嘲すると、彼は視線を逸らして部屋を出て行った。
「カモミールティを冷やす必要がございますので、しばらく席を外させていただきます」
「うん、ありがとうハンス」
クリスティーナは含みに気づかず礼を言い、アルベルトは溜息と共に、彼女を抱き寄せた。「ア、アル……?」
ドキッとした顔で自分を見上げる恋人に、アルベルトは眉尻を落として微笑んだ。
「賢君だって」
クリスティーナはアルベルトを見返し、屈託なく頷いた。
「はい。アルベルト様は、必ず賢君になられますわ。私はあなたが毎日、一生懸命お国について考え、学んでいらっしゃることを知っております。私も、貴方を支えられるよき王妃となれるよう、努力致します。だから二人なら、きっと大丈夫」
疑いなく己がアルベルトの妃になるのだと応じたその顔を見つめ、アルベルトは不意に、泣きたい気持ちになる。
自分たちはまだ、十五歳と十八歳の未成熟な頃合いだ。
気持ち一つに振り回され、動揺する日もある。
――だが、自分たちは常に最善を選ばねばならない責任を負い、年齢に見合わぬ振る舞いに徹する必要がある立場だとも、互いに重々承知していた。
「ありがとう、クリスティーナ」
――一緒にいるって、言ってくれて。
微笑むと、彼女も微笑み返した。しかし「あ」と眉を上げる。
「なに?」
「寝言ですから、仕方ありませんけど……簡単に人を殺しちゃ駄目ですよ」
軽く眉を吊り上げて咎められたアルベルトは、にこっと笑い返した。
「うん。もちろんだよ」
――僕から君を奪う男以外は、法に則って対処する所存だよ。
アルベルトの心の声を知らない彼女は、ほっとして、またかつてと変わらない、妖精のような甘い笑顔を浮かべた。
アルベルトは、出会ってからずっと愛し続けた少女に顔を寄せ、唇を重ねる。
甘い香りを吸い込み、その感触を実感して、ようやく穏やかな気持ちに満たされた。
さっき見た夢が脳裏を掠め、アルベルトは彼女を手中に収めている喜びを味わいながら、心の中で囁いた。
――愛してるよ、クリスティーナ。
君だけは、決して誰にも渡さない。
たとえこれから、どんな苦難があろうとも――。
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